静岡市の文化財

清見寺朝鮮通信使詩書一覧

No.13 正使洪啓禧七言絶句・副使南泰耆七言絶句・従事官曹命采七言絶句

使行年
西暦1747年~1748年
制作者
正使洪啓禧、副使南泰耆、従事官曹命采
形態
紙本墨書
制作年代
延享5年・西暦1748年
寸法
縦38.5cm×横75.5cm
正使洪啓禧七言絶句、副使南泰耆七言絶句、従事官曹命采七言絶句
清見寺次丁未使行韻

行々万里客忘愁
三島前頭問十洲
兜率海山何用弁
諸天半日自清遊
是日当宿三島故云
朝鮮正使大司成洪啓禧 稿

林端灑々雨声来
小瀑懸厓作九回
松竹芭蕉渾欲湿
洞天涼意満禅台
副使掌楽正南泰耆 稿

不雲晴雨爽衣間
知有飛泉濆沫寒
日域名区皆仏界
客縁能得一番看
従事官校理曹命采 稿

戊辰仲夏

清見寺に丁未の使行の韻に次す

行々万里の客愁を忘れ
三島の前あたり(頭)で十洲を問ふ
兜率の海山何んぞ弁ずるを用ゐんや
諸天半日自づからなる清遊
是の日三島に当宿すゆえに云ふ


林端に灑々として雨声きたり
小瀑は厓にかかりて九回をなす
松竹芭蕉すべて湿を欲す
洞天の涼意は禅台にみつ


雲にあらざれば晴雨は衣間に爽たり
飛泉あれば濆沫の寒きを知る
日域の名区は皆仏界なり
客のえにしにて能く一番のもてなしを得たり

清見寺に丁未の使行の韻に次す

遥か万里を越えてやってきた我々の、旅の愁いを忘れさせたのは、東海中にあるという神仙の三つの島と、その前あたりにあって神仙の住む十洲の島々のことを質問したときである。しかしながら弥勒菩薩(みろくぼさつ)の浄土について殊更(ことさら)に何で話す必要があろうか。天上界であるこの清見寺において半日でも風流を楽しんだこと、それ自体が証明しているのである。

林の端から雨脚の音が聞こえるし、瀧の音は曲がりくねった厓に響いている。庭園中の松や竹、芭蕉(ばしょう)が湿りを帯びて生き生きとしており、涼しさも境内に充ち満ちている。

雲にとじこめられているのでも無ければ、晴れても雨でもこの境内では衣服がさわやかであり、瀧のしぶきを浴びて寧(むし)ろ涼味(りょうみ)さえ覚えるようだ。日本でのこの有名な清見寺の寺境(じきょう)はまさに仏の世界である。遠くやってきた通信使の、先人達の因縁(いんねん)によって我々は最高のもてなしを受けているのである。

We who have traveled so long forgot the sorrows of our journey when we asked about the ten islands where the shenxian live, said to be in the eastern sea. However, why is it particularly necessary to discuss the pure land of Maitreya? Spending just a half-day enjoying the graces of Seikenji in the heavenly realm confirms its very existence.

One can hear the sound of rain from the edge of the forest, and the sound of the waterfall echoes over the twisted cliff sides. The pine, bamboo, and bananas in the garden are moist and bursting with life, and the complex is full of refreshing feelings.

So long as we are not surrounded by rainclouds, whether clear skies or rain our clothes wear comfortably in the grounds of this temple. Bathing in the spray of the waterfall, I am reminded even of coolness. This renowned Seikenji is surely the world of the Buddha. By fate of our envoy predecessors who came from afar, we are receiving the highest form of hospitality.

청견사에서 정미사행의 운을 따라

만리 길을 가는 나그네 수심을 잊은 것은  세 섬 앞머리에서 십주를 물음이로다.
도솔의 바다와 산을 구별해 무엇 하리?  제천의 반 일 동안 절로 맑은 유람인 것을.

이 날 삼도(三島)에 묵을 것이기에 이른 말이다.

조선정사 대사성 홍계희 고

숲 끝에 빗소리가 시원하게 들리고  절벽의 작은 폭포 아홉 구비 지었네.
솔과 대나무 파초까지 모조리 젖어드니  골짝의 서늘한 기분 선대에 가득하다.

부사 장악정 남태기 고

구름 없이 맑은 비가 옷 사이에 상쾌하니  폭포수 날라는 물방울이 차가운 줄 알겠다.
해 뜨는 곳 명승지는 모두 부처 경계인데  빈객의 인연으로 한 번 볼 수 있었네.

종사관 교리 조명채 고
무진 중하

*三島・・ここでいう三島は使臣一行が通る途中にある地名、または伝説で海の中に神仙が住むという蓬莱、瀛洲、方丈の三神山の三つの島を連想。
*十洲・・海の中にある神仙が住むという十の島。
*兜率・・仏家に仏様が常住するという諸天の一つ。兜率天。弥勒の浄土。
*諸天・・仏家では仏様が常住する33天があると言われるが、ここでは俗世間を離れた寺の区域を示す。

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