静岡市の文化財

清見寺朝鮮通信使詩書一覧

No.8 従事官李邦彦(南岡)五言律詩・七言絶句

使行年
西暦1711年
制作者
李邦彦
形態
紙本墨書
制作年代
正徳元年・西暦1711年
寸法
縦45.7cm×横75.3cm
従事官李邦彥(南面岡)5言法詩、7言絕句
清見寺謹次壺谷先生韻贈芝上人

縹渺鼇山寺
蒼茫鯨海波
諸天日初没
此地客重過
石礀当軒落
林霏入戸多
厖眉可共語
更奈別愁何
 芝上人録示一絶走次其韻
  仍述感懐示書記南君仲容
禅楼旧躅想諸賢
宝墨淋漓爛彩牋
我是壺翁門下客
不堪雙涙洒寒天
余嘗受学於壺谷先生之門
 而仲容即其時過庭者

辛卯復月下浣 南岡居士走稿

清見寺に謹んで壺谷先生の韻に次して芝上人に贈る

縹渺たる鼇山の寺
蒼茫たる鯨海の波
諸天に日初めて没し
此地に客重ねてすぐ
石礀は軒にあたって落ち
林霏は戸に入りて多し
厖眉は共に語るべし
こもごも別愁をいかんせん
 芝上人の一絶を録示したれば走りて其の韻に次し
  よって感懐を述べて書記南君仲容に示す
禅楼の旧躅に諸賢を想ふ
宝墨淋漓として彩牋にあざやかなり
我はこれ壺翁門下の客
雙涙寒天にさらすにたえざるなり
余はかつて学を壺谷先生の門に受く
 しかして仲容は即ちその時の過庭の者なり

清見寺に謹んで壺谷先生の韻に次して芝上人に贈る

縹渺(ひょうびょう)とした山容(さんよう)の巨鼇山(こごうざん)清見寺は大海原の波に臨んでいる。今やこの天上界に日は沈み、我らはこの地に再び客となっている。岩間を走る水は堂宇(どうう)の軒(のき)を打ち、林にこもる雨が戸口から入ってくる。老人である上人(しょうにん)も我等も共に語り合う事ができたが、主客(しゅきゃく)こもごも別(わかれ)の悲しみを如何(いか)にしようか。

芝上人の一絶を録示したれば走りて其の韻に次しよって感懐(かんかい)を述べて書記南君仲容に示す。

清見寺に残された使節先達(せんだつ)の遺物に思いを寄せ、墨痕淋漓(ぼっこんりんり)の鮮やかな書跡を今眺めていると、我等は南壺谷先生の門下生であり、使節としてこの地に赴いて来ている事に思いを致している。感極まって涙が溢れ出るのである。

私はかつて南壺谷先生の教えを受けたものであるが、一緒に使節に参加した南仲容は、父親である南壺谷先生の教えを受けた子息である。

Kogōzan, with its faint, mountain-like figure, looks over the waves of the open sea. Now, the sun sets on these heavenly realms, and we have become guests of this place once again. Water flows between stones, striking the eaves of the temple, and the rain collected in the grove enters from the doorway. The holy priest, an old man, is able to converse with us; however shall the host and his guests show one another the sadness of their parting?

My mind turns to the mementos of our envoy predecessors which remain at Seikenji. Gazing upon his vivid writings done with bold and lively strokes, I think of our great teacher Nam Yong-ik, who once traveled to this place as an envoy. My emotion gets the best of me, and my eyes well up with tears.

Although I once took lessons from great teacher Nam Yong-ik, a fellow envoy named Nam Chu-yon is his son, and was also taught by him.

청견사에서 삼가 호곡선생의 운을 따라 지상인에게 주다

아스라한 오산사에는  거대한 바다 파도 아득하다.
제천에 해가 막 지자  이곳을 객이 거듭 지난다.
석간에 흐르는 물 헌함 앞에 떨어지고  숲 속의 안개는 방문에 많이 들치는데,
눈썹 희끗한 화상은 이야기 할 만하나  이별의 시름은 또 어찌 하리.

지상인이 절구 한 수를 기록해 주기에 즉시 그 운을 따라 지으면서
인하여 감회를 서술하여 서기 남중용 군에게 보인다.

선루의 옛 지취로 제현을 상상하니  보배로은 글씨 질펀하게 채전에 찬란하다.
나는 호곡노인 문하의 객인지라  두 눈의 눈물 못 견디고 찬 날에 뿌리노라.

나는 일찍이 호곡선생의 문하에서 수학하였는데, 중용(仲容)은 곧 그때 가정의 가르침을 받고 있었던 자이다.

신묘 복월 하완 남강거사 주고 [인]완산이가, 이방언인, 남강거사

*李邦彦(1675-?)・・字は美伯、号は南岡、本貫は完山。粛宗庚辰年(1700年)の柑科に首席合格した後、壬午年(1702年)の文科に合格して兵曹正郎となり、粛宗辛卯年(1711年)に従事官として派遣された。
*禅楼・・禅を行う僧侶が暮す寺の楼閣の呼称。
*彩牋・・詩や書札を書くときに使い、色で模様を描いて見た目良く製作する紙。

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