静岡市の文化財

清見寺朝鮮通信使詩書一覧

No.2 正使趙珩(翠屏)七言律詩

使行年
西暦1655年
制作者
趙珩
形態
紙本墨書
制作年代
明暦元年・西暦1655年
寸法
縦34.2cm×横67.0cm
正使趙珩(翠屏)7言法詩
夜投清見寺題贈主僧

特地琳宮傍海濆
粧林金橘暎山樊
去時指点曽嫌早
帰路登臨更惜昏
居釈有心争報火
旅人無興強停軒
新章未就忙行色
飛瀑如何満耳喧

乙未仲冬上浣  翠屏 印

夜清見寺と題して投し主僧に贈す

特地の琳宮は海濆にそい
林をよそおう金橘は山樊にはゆ
去時に指点してすなわち早きをいとい
帰路に登臨してこもごもくらきを惜しむ
居釈は心有りて争って火を報ぜんとし
旅人は興無くも強いて軒にとどむ
新章いまだならずあわただしき行色
飛瀑いかんぞ満耳にかまびすしきを

特別に選ばれた土地の、みごとな堂宇(どうう)は海に臨み、背後の山には蜜柑が輝いている。その景観に見ほれ、あれこれ指さして立ち去りがたい。任務を果たして帰路、清見寺に立ち寄った時は暗く、眺望がきかず残念である。住職の心配りで燭台(しょくだい)が運ばれているが、最早楽しむことが出来ない。それに詩を賦そうにも慌ただしい旅程であり、それが募るのは耳を覆わんばかりの瀧の音である事よ。

The stunning temple on this specially-chosen land faces the sea, and the mandarin oranges glitter on the mountains to its rear. Pointing my finger here and there, I admire the scenery, longing to stay. On the return journey after completing our duties, it is dark when we arrive at Seikenji, leaving us without a view. Candlesticks are brought out of concern by the priests, but they allow us no enjoyment. I try to compose a poem, but am weary from our hurried travel, and all that comes to me is the deafening sound of a waterfall.

밤에 청견사에 투숙하며 주지 승려에게 지어주다

찰랑대는 바다 곁의 특별한 임궁,
숲 단장한 금귤이 산기슭에 비친다.
갈 때는 가리키며 철 이르다 여겼으나
오는 길에 올랐더니 아까워라 황혼일세.
사는 중은 마음 있어 다투어 불을 켜나
여행객은 흥이 없어 억지로 행차 멈추고는,
새 시를 못 이룬 채 행색이 바쁜데
폭포 소리 어찌나 귀에 가득 떠드는지.

을미 중동 상완 취병
[인]창주산인

*趙珩(1605-1679年)・・字は君献、号は翠屏、本貫は豊壌。仁祖丙寅年の文科に抜擢されたが、合格を取り消され、再度、庚牛年(1630年)の式年文科に合格し、乙未年(1655年)大司諫となって、通信正使として日本へ派遣され、その後大司憲を経て左右参賛になった。
*琳宮・・寺の別称。
*堂宇・・建物

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